アウレクスの世界法を固定する器官。鱗は衝撃、熱、魔力の流れを分散し、通常武器による致命傷を困難にする。
世界・自然・文明統合事典 / 西方ヨルウッド
シドルムス
世界誌
世界の成立、七時代の変遷、龍、マナ、人類種、ヨルウッド大陸、アティラ王国および周辺地域を収録した総合参照版。
- 基準年代
- 第七時代529年
- 主対象地域
- ヨルウッド西方圏
- 記述方針
- 教会暦・王国法・自然誌を併記
- 歴史精度
- 第五時代以前は推定を含む

世界概要
シドルムスとヨルウッドを理解するための基礎値。
シドルムスは、神々が去った後もマナが自然循環の一部として残る世界である。現在の主な文明段階は中世西方世界に相当し、火薬と蒸気機関は存在しない。鉄・青銅加工、河川水運、石造建築、薬草医学は発達しているが、印刷物、機械時計、硝子は高価である。

四柱と創世
四神は火・水・土・風の所有者ではなく、世界存続に必要な四つの原理である。
四柱は共同で龍を創造した。龍は一柱だけの眷属ではなく、四神すべての力を内包する「四柱の器」である。神々に本来の性別はなく、人物像と性別は地域表現にすぎない。
衡衡冠座アウレクス秩序・誓約・尺度・法・統治・時間詳細

根根炉座ティルメア生命・大地・誕生・家族・農耕・治療・労働詳細

深深水座ネメリア水・記憶・死・歴史・夢・秘密・航海・埋葬詳細

翼翼火座ヴァルカエル風・火・変化・移動・発見・言語・魔法・自由意志詳細

境界・生命・記憶・変化
世界へ残る神の力
均衡を守る四柱の器
理由不明・中央の空座
七時代年表
第二時代開始から現在まで約7,429年。第一時代の長さは不明。各時代の改元により年数はリセットされる。

I神の時代
ディヴィニタス・エラ継続年数不明開閉
神の時代
ディヴィニタス・エラ四柱が世界へ直接顕現し、世界の規則と生命の循環を整えた先史時代。時間そのものが現在と同じ速度で流れていたかも判明していない。
- 四柱の顕現
アウレクス、ティルメア、ネメリア、ヴァルカエルがシドルムスに現れ、境界・生命・記憶・変化の四原理を定める。
- 海陸とマナ循環の確立
神々から生じた力が大気、水、岩盤、生物を巡り始める。後世、この循環力はマナと呼ばれた。
- 原初龍の創造
四柱が骨、血、魂、息を分け与え、世界の均衡を監視する神造知性種として龍を作る。
- 世界法の固定
龍が気候、地脈、海流、マナ溜まりを巡回する一方、自然現象から上位精霊が生じ、土地や物へ根を張ったスピリットが下位精霊として確立し始める。
- 神々の退去
四柱は理由を告げず世界から姿を消す。中央を空ける四神教会の建築は、この不在を象徴する。
II龍と精霊の時代
ドラコニア・エラ約3,000年開閉
龍と精霊の時代
ドラコニア・エラ龍が世界法を維持し、上位精霊と下位精霊が自然の各所へ現れた時代。後半には土から立ち上がった原人類テルシアが各地で増え、人類種へ分化した。
- 四方巡環の開始
原初龍が大陸を分割して巡回する。灰脊山脈は西方と東方を分ける最大の均衡線となる。
- 二系統の観測
土地に縛られず自然現象として移動する上位精霊と、土地・物・反復現象へ根を張る下位精霊の違いが龍文字記録に現れる。
- テルシアの出現
一介の土の塊であった種族が龍の一側面を模して二本足で立ち上がった、と龍文字断片は記す。
- 人類種の分化
環境と精霊的影響によって、人間、エルフ、獣人、その他の人類種が緩やかに分かれる。
- 根の大移動
人類の土地利用によって多くの下位精霊が依代を失い、別の土地や道具へ根を移すか休眠した。上位精霊の活動域は人類圏を越えて続いた。
III龍の時代
コンコルディア・エラ約500年開閉
龍の時代
コンコルディア・エラ龍と人類種が最も密接に交流した文明黎明期。龍から文字、測量、建築、天文学、医術が伝えられ、最初の都市群が成立した。
- 灰脊盟会
十三頭の龍と西方の七共同体が、水場と狩場を分ける最初の記録契約を結ぶ。
- 龍文字の授与
音ではなく関係と変化を記す龍文字が、人間向けの表音・表意混合文字へ簡略化される。
- 第一石橋群
洪水に耐える迫石、尺度、星による方位測定が普及し、河川交易と定住都市が拡大する。
- 七学堂の時代
医学、暦学、建築、記録、薬学、音律、地理を教える学堂が各地に作られる。
- 龍の退避
人類の技術的自立とともに交流が減り、龍は山岳や辺境へ移る。知性と力の緩慢な衰退もこの頃から記録される。
IV英雄の時代
オーレア・エラ約800年開閉
英雄の時代
オーレア・エラ複数の帝国が均衡し、学術と魔法技術が頂点に達した黄金時代。現代の遺跡、人工魔獣、失われた術式の多くはこの時代に由来する。
- 九冠暦の制定
西方と東方の九王国が共通暦、度量衡、使節保護を定め、大陸交易が安定する。
- 魔脈理論の体系化
マナと個体魔力の違い、吸収・変換・保持・構築・導出の五段階が学術的に記述される。
- 浮橋都市群の完成
符術と建築を組み合わせた巨大都市、長距離水路、気候調整塔が建造される。
- 英雄王戦役
小国連合が魔術覇権国を破り、個人の武勇と術式が伝説化する。後世の英雄譚の原型。
- 灰冠競争
各帝国が龍の身体構造を模した兵器と人工魔獣を開発。マナ溜まりの独占を巡る代理戦争が続く。
- 黒い昼
大規模な地脈切断術が失敗し、三日間にわたり空が灰で覆われる。翌年、全面戦争へ移行する。
V灰の戦争
キャタクリズマ・エラ約2,000年開閉
灰の戦争
キャタクリズマ・エラ魔術兵器、疫病、飢饉、国家崩壊が連鎖した大陸規模の暗黒期。二千年は一つの戦争ではなく、短い休戦を挟んで破局が反復した総称である。
- 九冠同盟の崩壊
共通暦と使節保護が破棄され、主要街道とマナ井を巡る全面戦争が始まる。
- 玻璃雨
高空で破壊された術式構造体が融解し、西方平野へ硝子状の破片と汚染マナを降らせる。
- 第一記録喪失
写本院と年代庫が意図的に焼かれ、敵国の正統性と魔術知識を消す戦争が始まる。
- 灰脊断層戦
山中の地脈兵器により峠と河道が変化。銅梯谷の地下境界問題は現代まで尾を引く。
- 無冠の百年
大陸規模の王権が消滅し、城塞都市、修道院、地下集落だけが人口を維持する。
- 人工獣の離散
兵器として作られた生物が野生化。現代の灰戦変異型・人工型魔獣の祖先となる。
- 灰の静止
交戦勢力が兵力、食料、術者、記録のすべてを失い、講和条約すら結ばれないまま戦争が終わる。
VI再建の時代
レナスケンティア・エラ約600年開閉
再建の時代
レナスケンティア・エラ生存共同体が村、都市、国家へ再編された時代。現代の宗教組織、種族分類、国境、爵位、ギルド制度の大半はこの時代に成立した。
- 根炉の誓い
十二の農村と三修道院が種籾、井戸、孤児を共同で守る盟約を結び、再建暦の起点となる。
- 深水院の回収令
各地の聖職者が墓碑、歌、断片文書を収集。第五時代以前の歴史復元が始まる。
- 四分類戸籍
徴税と土地管理のため、人間・エルフ・獣人・他亜人という行政分類が西方諸国へ広がる。
- 四柱公同教会の成立
四つの座が単一教会に統合され、暦、婚姻、埋葬、教育、救貧を共同管理する。
- ウィド丘城の建設
クロン川の七橋を監督する丘城が築かれ、後の王都ウィドシュタットの核となる。
- アティラ王冠盟約
王央領、五大諸侯、四柱教会、特許都市が一冠の下に結ばれ、アティラ王国が成立する。
- 龍殺し登録令
辺境防衛の象徴として龍殺しが王国公認職となる。実際の龍討伐より外交的威嚇の意味が強い。
- 五峠条約
灰脊山脈の主要通路と現代国境が承認され、第七時代への改元が宣言される。
VII人の時代
フマニタス・エラ現在・529年開閉
人の時代
フマニタス・エラ人間国家が大陸中央部を支配する現代。大規模戦争はないが、鉱山境界、亜人の権利、教会内部の教義対立、龍の衰退が静かな不安を生んでいる。
- 人の時代宣言
五峠条約と新暦が発効。人類が神々の不在を引き受ける時代だと宣言される。
- 南港特許状
南部港湾都市が自治、関税、外国人居住区の権利を得て、アティラの外洋交易が拡大する。
- セヴラント統合
東方諸冠統合セヴラント帝国が成立し、灰脊東側の十八属州を統合する。
- 銅梯谷事件
地下坑道でアティラと帝国の鉱夫が衝突。地上国境と鉱脈の不一致が外交問題になる。
- ウィド大時計の完成
王都の機械式大時計が公定時刻を示し、市場、門限、裁判、礼拝の時刻が統一される。
- 北羊丘陵飢饉
根炉座と獣人共同体の共同救援が成功し、亜人保護法改正運動の契機となる。
- 現在
国家間は概ね安定。獅子門峠の通商交渉、王位継承、龍の目撃増加が当年の主要問題。
龍
四柱が直接創造した神造知性種。魔獣、人類種、精霊のいずれにも属さない。

現代の推定個体数はヨルウッド全土で約500頭。通常は単独で広大な縄張りを持ち、生涯の繁殖回数は1〜3回、産卵数は1〜3個、孵化率も低い。知性と感情は高いが、すべての個体が人語を話すわけではない。
身体と魔力
龍の全身は巨大な生体術式である。龍心は血液だけでなく自然マナを循環させ、呼吸器と咆哮器官へ送る。
ワイバーン期の環境、食性、経験によって確定する。炎や氷だけでなく、霧、石、雷、植物、音などがある。
第三時代末から一部個体で言語、記憶、判断力の低下が観察される。原因は神々の不在、血統希薄化、マナ環境変化など諸説。
成長段階
歩行もおぼつかず、鳴き声は『クルル』。親または最初に強く認識した存在へ刷り込む。
好奇心が強く何でも噛む。原初の血が濃い個体はこの段階から人化できる。
飛行と狩りを習得。周囲の環境、摂取物、経験によって属性が固定される重要期。
自我と縄張りが確立した成龍。人語を理解する個体が現れ、繁殖可能になる。
古代にのみ記録される完全形態。翼の一払いで渓谷を生むとされ、現代には確認例がない。
龍害と討伐法
教会の公式見解では龍は「神聖だが不可侵ではない」。知性や本来の使命を失い、人里を継続して襲う個体は使命から外れた龍と認定される場合がある。合法的討伐には、被害記録、教会調査、領主の要請、衡冠座と根炉座の共同裁定、龍害特赦状が必要。
遺骸は討伐者の完全所有物にならない。心臓と眼は深水座が埋葬し、骨は教会が保管、鱗の一部は王国へ提出する。爪牙の加工には許可が必要。卵の売買と血液の魔術利用は禁止される。
マナと魔法
マナは環境中の力、魔力は生物がそれを個体用に変換したもの。両者は同義ではない。

才能で決まる部分
- マナへの感応力
- 一定時間あたりの吸収量
- 生来の保持容量
- 共鳴しやすい現象
修練で変わる部分
- 変換効率と消費量
- 術式の構築精度
- 魔脈と集中の安定
- 暴発時の制御と停止
三系統
詠唱魔法
韻律を持つ言葉、呼吸、身振りによって術式をその場で構築する。応用範囲は広いが、安定使用まで通常十年以上を要し、声と集中を断たれると崩れる。
符術
紙、木、石、金属へ魔力経路を事前に固定する。習熟の浅い者でも起動できるが、一つの符は一用途で、多くは一回限り。印刷複製しても術者による充填が必要。
体質魔法
生まれつき魔脈が特定の術式を形成している者の能力。狭い現象を低消費で扱える一方、別分野への転用は難しく、遺伝規則も判明していない。
四つの限界
魔法は既存の物質、熱、運動、情報を変換・移動させる。恒久物質の無からの創造は不可能。
術者から離れるほど制御のための魔力消費が増える。視認できない場所への精密術式は極めて危険。
生きた身体の魔脈は外部干渉を排斥する。治療は自己回復を補助できるが、欠損や死を完全に覆せない。
記憶や夢の読み取りは可能だが、過去改変、完全な蘇生、未来の確定観測は理論上も否定される。
精霊
自然現象が意思と記憶を得た非肉体的存在。成立様式によって上位精霊と下位精霊へ大別される。


精霊はマナそのものではなく、自然現象に連続した意思と記憶が成立した存在である。肉体や固定した種族形態を持たない。上位・下位という呼称は力や身分の上下ではなく、現象が単独で成立しているか、何らかの依代へ根を張って成立しているかを示す。
同じ「風」でも、季節とともに大陸を渡る風そのものが意思を持てば上位精霊となり、ある谷へ毎夕吹き込む風が土地の記憶を蓄えれば下位精霊となる。観測者には似た現象に見えるため、分類には移動範囲、根の有無、記憶の連続性を長期間調べる必要がある。
土地、古木、道具、谷風、潮流など。
根を張り始めた不安定な意思。下位精霊に含む。
記憶と反応が連続し、独立した存在となる。
上位精霊
自然現象そのものに近く、場所や物へ縛られない嵐、季節風、潮の満ち引き、山火事、雪解けなど、広域の自然現象が意思と連続した記憶を得た存在。依代を必要とせず自由に移動でき、第二時代から存続する個体も多い。『上位』は成立様式を示す分類で、下位精霊より強いことを意味しない。
- 知性
- 個体差が大きく、人類の尺度では測れない
- 現代の痕跡
- 長距離を移動する異常気象、同じ周期で帰還する霧や潮、複数地域に共通する古い呼び名として記録される。
下位精霊
土地・物・生物・反復現象など、依代となる根を持つ特定の場所や物、あるいは根を張ることのできる概念・自然現象から成立する。たとえば風の下位精霊は『風そのもの』ではなく、ある谷や村に繰り返し吹いた風が記憶を得た存在である。根を失うと弱体化するが、条件が整えば別の依代へ移る場合もある。
- 知性
- 根の履歴と存続期間に応じて形成される
- 現代の痕跡
- 古木、井戸、共同炉、橋、家系道具、谷風、港の潮流などに宿る。供物や祭礼は根を安定させる働きを持つ。
他存在との区別
マナは循環する力で、精霊は自然現象に記憶と意思が成立した存在。水と魚ほど異なる。
上位は依代なしで成立するという意味であり、戦闘力や知性の高さを示さない。小さな上位精霊が巨大な下位精霊より弱い場合もある。
魔獣は肉体を持つ非知的生物。精霊は原則として肉体を持たず、繁殖や捕食を必要としない。
死者の魂や残留記憶とは別物。人の記憶を模倣する精霊はいるが、本人が残ったものではない。
人類種と行政分類
『人間』『亜人』は生物学ではなく、第五時代末から第六時代に作られた戸籍・徴税・土地制度上の区分である。

古代学説では大半の人類種は共通祖先テルシアから分化した。四神教会の保守教義は人間を完成種、亜人を土地・獣・精霊の影響を過剰に受けた傍系と説明するが、龍文字資料は「すべての人類種が龍の一側面を模倣した土から生じた」と読める。
HUM.01人間
大陸74%・アティラ81%完全王国民

ELF.02エルフ
大陸7%・アティラ5%盟約臣民

BST.03獣人
大陸12%・アティラ11%登録保護民

DEM.04他亜人
大陸7%・アティラ3%特別記帳民

他亜人の主要五種
ドロウム
灰脊高地硬い灰褐色の皮膚と太い骨格。岩盤の亀裂を感じ、坑道都市と祖先信仰を持つ。アティラ・帝国双方の鉱山技術者。
サーヴァ
南東湿地細かな鱗、瞬膜、低い体温を持つ卵生人類種。塩田と運河に長け、龍との血縁を主張する。
ネメル
大河・湖沼首筋に補助鰓を持ち、舟上集落を形成。国家より水系共同体を重視し、河川輸送と漁業を担う。
イシュ
地下・古代遺跡白灰色の皮膚と大きな黒眼。強光に弱く、廃墟から金属・硝子・文字板を回収する。厳格な所有概念を持つ。
アーヴァ
灰脊南部断崖腕から脇腹へ皮膜を持ち、高所から滑空する。軽量織物、縄、吊橋の技術を持つ。
魔獣脅威等級
魔獣はマナを循環させ魔法現象を起こす非知的生物。種名ではなく、必要な対処戦力と予想被害によってI級からIV級に分類する。

王国で確認される魔獣の大半。村の猟師や衛兵が現実に対処する標準脅威である。
人へ積極的に危害を加えず、魔法現象も局所的。農地や家畜へ軽微な損害を与える場合のみ駆除対象となる。
- 標準対処
- 住民・猟師
魔獣の大半を占める等級。単独の成人には危険だが、習性を把握した数名と通常装備で対処できる。
- 標準対処
- 猟師・衛兵班
村、街道、鉱山へ継続被害を与え、強い縄張り現象を伴う。地方領主による討伐令と住民避難を要する。
- 標準対処
- 武装隊・専門猟団
城壁、集落、地形そのものを破壊し得る。軍事封鎖と広域避難を行い、王国龍害局にも記録を送る。龍は含まれない。
- 標準対処
- 軍・複数術士
高マナ地域で世代を重ね適応。
魔力菌・植物・寄生体と共生。
汚染や兵器により変異。
第四・第五時代に設計。
ヨルウッド大陸地図
南北約3,800km、東西最大約3,100km。中央の灰脊山脈が西方圏と東方圏を分ける。

西方圏と周辺諸国
国境よりも、山脈、水系、港湾、森林盟約が生活圏を決める。


02セヴラント大帝国
東方諸冠統合帝国 · 4,300万人18属州、6保護領、12直属都市。種族ではなく帝国への同化度と戸籍等級で住民を序列化する。
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セヴラント大帝国
東方諸冠統合帝国 · 4,300万人18属州、6保護領、12直属都市。種族ではなく帝国への同化度と戸籍等級で住民を序列化する。
03ブレム海盟
七港湾都市の海上同盟 · 約190万人船舶、塩魚、琥珀、鯨油。王を持たず、種族より財産と船舶持分を重視する。
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ブレム海盟
七港湾都市の海上同盟 · 約190万人船舶、塩魚、琥珀、鯨油。王を持たず、種族より財産と船舶持分を重視する。
04メルガリア連合公国
五公国の連合 · 約310万人温暖な葡萄畑、陶器、染料、果実。四神教会の権威が強く、獣人規制はアティラより厳しい。
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メルガリア連合公国
五公国の連合 · 約310万人温暖な葡萄畑、陶器、染料、果実。四神教会の権威が強く、獣人規制はアティラより厳しい。
05西岸諸侯領
侯国・伯領・自由都市群 · 約460万人灰戦以前の城塞と街道が残る。人間領の間にエルフ森林領と獣人自由村が飛び地として存在する。
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西岸諸侯領
侯国・伯領・自由都市群 · 約460万人灰戦以前の城塞と街道が残る。人間領の間にエルフ森林領と獣人自由村が飛び地として存在する。
06エルデン森林盟約領
十三共同体と四都市の盟約 · 約88万人アティラ王は領有を主張するが、徴税と伐採は限定的。王国法とエルフ慣習法の緩衝地帯。
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エルデン森林盟約領
十三共同体と四都市の盟約 · 約88万人アティラ王は領有を主張するが、徴税と伐採は限定的。王国法とエルフ慣習法の緩衝地帯。
07スケル諸島王国
北西沖の島嶼王国 · 約42万人漁業、羊毛、鉄砂。労働力不足のため獣人にも土地所有と軍務が認められる。
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スケル諸島王国
北西沖の島嶼王国 · 約42万人漁業、羊毛、鉄砂。労働力不足のため獣人にも土地所有と軍務が認められる。
08サーヴァ湿原諸邦
帝国南東の水域共同体 · 推定120万人サーヴァ都市、ネメル水上集落、人間塩田都市が混在。水路が変わり続け、人間式国境が機能しない。
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サーヴァ湿原諸邦
帝国南東の水域共同体 · 推定120万人サーヴァ都市、ネメル水上集落、人間塩田都市が混在。水路が変わり続け、人間式国境が機能しない。
第七時代529年の主要関係
国力差は大きいが灰脊が天然防壁。獅子門通商と銅梯谷の地下鉱脈を巡り、交渉と小競り合いが続く。
王は森林全体の領有を主張するが実効支配は弱い。木材、薬草、測量技術と引き換えに自治を黙認する。
メルガリアとは競合しつつ婚姻・陶器交易が盛ん。南港は王国の関税収入と国外情報の主要入口。
アティラ王国
灰脊山脈中央西側の中規模王国。世襲王政、身分制議会、四神教国教制を併せ持つ。

国王、貴族、教会、特許都市が権限を分け合う封建王国。王権は強いが絶対ではなく、恒久新税と長期戦争には三身分会議、戴冠と戸籍には教会、地方徴募には五大公爵家の協力が必要である。

六地方
1王央領
ウィドシュタットとクロン川中流穀倉、行政、織物、出版の中心。人間比率が高く、人間中心主義も最も強い。
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王央領
ウィドシュタットとクロン川中流穀倉、行政、織物、出版の中心。人間比率が高く、人間中心主義も最も強い。
2東部鉱山伯領
灰脊山脈西麓鉄、銅、少量の銀。ドロウムと獣人坑夫が多く、帝国との地下境界が未確定。
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東部鉱山伯領
灰脊山脈西麓鉄、銅、少量の銀。ドロウムと獣人坑夫が多く、帝国との地下境界が未確定。
3北羊丘陵
王国北部の冷涼な牧草地羊毛の主要産地。犬相、羊相、山羊相の獣人集落が点在する。
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北羊丘陵
王国北部の冷涼な牧草地羊毛の主要産地。犬相、羊相、山羊相の獣人集落が点在する。
4エルデン辺境
西部大森林との境界エルフと人間の混住地。王国法と森林盟約の慣習法が併存する。
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エルデン辺境
西部大森林との境界エルフと人間の混住地。王国法と森林盟約の慣習法が併存する。
5南クロン平野
クロン川下流の農業地帯小麦、豆、亜麻を生産し、川船で王都と南部港へ輸送する。
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南クロン平野
クロン川下流の農業地帯小麦、豆、亜麻を生産し、川船で王都と南部港へ輸送する。
6南部港湾領
碧海沿岸の特許都市群半自治の交易港。毛織物・陶器・穀物を輸出し、香辛料・硝子・染料・紙を輸入する。
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南部港湾領
碧海沿岸の特許都市群半自治の交易港。毛織物・陶器・穀物を輸出し、香辛料・硝子・染料・紙を輸入する。
統治機構
国王
外交、軍、封土、鉱山、貨幣、最高裁定を掌握。戴冠には四座すべての代表が必要。
三身分会議
聖職者、貴族、特許都市で構成。恒久新税、長期戦争、貨幣改鋳を承認する。農民と亜人は直接代表を持たない。
五大公爵家
東山、森林、北丘、南港、穀倉を担う地方権力。徴募兵、下級裁判、街道維持の義務を負う。
四柱教会
戸籍、暦、教育、婚姻、埋葬、救貧、施療、契約認証を管理。王国の国教だが王権直属ではない。
特許都市
城壁、市場、ギルド、民兵、地方税の自治権を持つ。王へ直接納税し、領主の介入を制限する。
王立諸院
財務院、鉱山院、度量衡院、龍害局、民族誌院、年代記院。識字官僚と教会書記が実務を担う。
経済と技術
主要産業
- 南クロン平野の小麦、豆、亜麻
- 北羊丘陵の羊毛と毛織物
- 東部の鉄、銅、少量の銀
- 職人街の陶器、武具、製本
- 南部港の中継・関税交易
希少・高価なもの
- 紙と活版印刷物
- 機械式時計と精密歯車
- 透明度の高い硝子
- 南方香辛料と鮮明な染料
- 術式符、魔獣素材、龍由来品
王都ウィドシュタット
クロン川と七つの石橋を中心に、丘上の王城から同心円状に広がる人口約18万の王都。
地勢と気候
ロウェンダルから北へ徒歩五日。東に灰脊の稜線を望む。曇天と雨が多く冬が長い。朝には川霧が下市街を覆い、薪と泥炭の煙が空気を霞ませる。夏は短く温和。冬は薄氷と凍結した石畳が交通を妨げる。
都市の感覚
大時計の鐘、市場、荷揚げ、車輪、聖歌。羊毛、染料、窯煙、川水、香辛料、湿った石と泥。夜間照明は蝋燭、油灯、松明だけで、貴族以外の移動はほぼ徒歩である。
上市街
丘上王城、四神大聖堂、貴族屋敷、王立諸院。整備された石畳、給水槽、夜警を備える。
中市街
丘腹裕福な商人、職人親方、ギルド会館、マルクト広場、大時計塔。三〜四階の石造建築が多い。
下市街
川沿い・外縁職人、日雇い、貧民、移住亜人。木組み家屋と工房が密集し、霧と浸水、火災が問題となる。
川港区
クロン川両岸穀物、羊毛、陶器、鉱石の荷揚げ場。倉庫、宿、秤所、税関、ネメル船頭の舟溜まりがある。
七橋
東西市街中央の王橋が最古。橋ごとに通行税、露店、守護座が異なり、夜間には鎖で閉鎖される。
外壁村
城壁外染色、皮革、陶窯、家畜市場など臭気や火を伴う産業が集まる。獣人居住区も多い。
主要施設
丘頂の城塞兼政庁。王族居館、謁見棟、財務院、兵器庫、国璽庫を収める。
四入口と中央空座を持つ王国最大の聖堂。戴冠、国家葬、四座会議が行われる。
7E 318年完成。市場の開閉、城門、裁判、礼拝の公定時刻を統一した。
週二回の大市と季節市。度量衡院の検査所、布告台、刑事裁判の公開席がある。
社会・身分・法
アティラの身分は爵位、都市権、土地への拘束、教会戸籍、種族分類が重なって決まる。
種族別の王国法上の地位
ヨルウッド四柱公同教会
四神ごとに分離した宗教ではなく、一つの公同教会の内部に四つの専門座を置く。

教会は四入口を持つ正方形で、中央には像を置かない。中央の空白は神々の退去を表し、大聖堂ではその上の天井だけに翼を広げた龍が描かれる。龍像を床へ置き、神として礼拝することは禁止される。
政治的に最強。人間中心主義を正当化する四性均衡説の中心だが、龍害の法的記録も厳格に要求する。
信徒数最大。施療院、孤児院、共同倉庫を運営し、亜人も同じ生命として保護すべきだと考える司祭が多い。
政治力は弱いが、教会が何を記憶し何を忘れるかを決める。古代文書への根拠を欠く四性均衡説には慎重。
最小の座。種族より能力を重視し亜人司祭が最多。灰の戦争の魔術災害と結びつけられ他座から監視される。
組織と権限
司祭階級
- 侍祭
- 司祭
- 柱監
- 大柱監
- 四座総監
四名の総監からなる四座会議が教義、暦、任命、異端審査を管理。議長の公同首座は十二年ごとの調整役で、同じ座から二代連続選出できない。
アティラで管理するもの
- 出生・婚姻・死亡・墓地
- 初等教育と一部の図書館
- 暦、祝祭日、公定記録
- 孤児院、施療院、救貧院
- 誓約、契約、戴冠の認証
王は司教候補を推薦できるが任命できず、教会は王を直接廃位できない。双方が互いの正統性を必要とする。
用語集
本誌で使用する固有語・制度語の簡易定義。
編纂方針
本誌は第七時代529年時点の王立年代記院、四柱教会、王立民族誌院、鉱山院、龍害局の標準見解を統合した体裁を取る。歴史上の年代と事件名のうち原典で未確定の箇所は、既存設定と整合する年代記院補遺として再構成した。